組み立てた飛行機はそのままではたぶんまともには飛びません。飛行機はきっちりと調整してバランスをとらないと、よく飛ばないどころか、どこに飛ぶかわからずに、人に当たって危険です。 ここで、初心者が最低限しておくべき調整を説明します。 まず組み立てた、機体を前方からすかして見ます。 ここでは最初に胴が曲がってないかを確認します。もし曲がっていたらまっすぐに直します。 キットのバルサ胴の機体のものは、あまり胴が曲がっていることはないのですが、時々曲がっている場合があるので、確認します。 このとき、胴体の延長上に垂直尾翼がある単垂直尾翼機では、垂直尾翼のねじれも確認します。 また、水平尾翼と主翼を見て胴のねじれがないかも見ます。 次に横から主翼を見て主翼の左右に大きなねじれが無いかも確認します。 さらに後ろから見て、主翼の微妙なねじれを確認します。 以上を確認してねじれをだいたいなおしたら、水平に手で投げて飛ばして飛び方を見ながら調整します。 まだゴムカタパルトを使ってはいけません。 機体をもったら、風上に向けて手首のスナップを使わずに、押し出すように飛ばします。 まず最初にするのは、上下の動き調整です。 もしもストンと落ちるようであったら、機首下げの傾向が強いですから、機首上げになるようにします。 そのためには水平尾翼の後端をわずかに上に曲げます。 もしも波打つように飛ぶ(ピッチング)のであれば、それは、機首上げの傾向が強すぎることになります。 機体が機首を上げていくとやがて速度が落ちて失速し降下を初め速度がつくと機首を上げて・・・をくりかえしているわけです この場合は機首下げに調整するのですから、水平尾翼の後端をわずか下に曲げます。 機体がストンと落ちたりピッチングしなかったら、上下の調整は終わりです。 上下の調整が終わったら、次が左右の動き(旋回)の調整です。 旋回の調整は主に主翼後端をわずか曲げることで行います。 右に旋回させたかったら、機体を右に傾ければいいですから、右の主翼後端をわずかに上に曲げ、左側後端は下に曲げます。さらに垂直尾翼後端をごくわずか右に曲げます。左旋回はこの逆です。 こうして、機体がまっすぐに飛ぶようになったら、手投げの水平飛行の調整は終わりです。 これで初めてゴムカタパルトで飛ばすことができます。 ところで、機体を右手で持つ場合には、わずかに左旋回、左手に持つ場合は右旋回するように調整します。 カタパルトで飛ばす場合は最初は思い切りゴムをひいてはだめで、軽くひいてください。 飛ばすときは風上に背中を向けて、気流に直角に発射します。 機体の発射時の姿勢はほとんど横倒しで、風上に機体の下を向けます。飛ばす方向は最初は水平から45度くらいがよいでしょう。この角度は調整がうまく進んで強く引けるようになったら、大きくできます。 機体の設計によってはほとんど垂直に発射するものもあります。 発射しての上昇は次の3つのうちのどれかになるはずです。 (1)宙返り (2)上を向いたまま最上点で静止して次に真っ逆さまに急降下 (3)最上点から水平飛行に入る。 もちろん(3)になるように調整するわけです。 一番危険で、他人あるいは自分に怪我をさせる可能性があるのが(1)です。これはは機首上げの傾向が強いので水平尾翼後端をわずかに下げて、(2)は機首下げの傾向があるので、水平尾翼後端を僅かに上げます。このときの尾翼の曲げる量は紙の厚さとか紙の厚さの半分とか、場合によってはかるく撫でるだけといった微妙なものになります。 こうして最上点で水平飛行に入るようになったら、大体の調整は終わりです。あとはある程度ゴムを引いても大丈夫です。 あとは水平飛行の様子を見ながら手投げの水平飛行と同じ要領で上下動を調整します。 ひとつ、手投げ水平飛行で確認できない挙動にスパイラルダイブというものがあります。これは、機体がだんだん横に傾きながら急旋回して墜落するものです。 これは、垂直尾翼を曲げすぎているか胴が曲がっている、あるいはねじれている場合に起きます。 これ以上の調整は自分で試行錯誤しながら覚えてください。 |